しのわずり☆日記 ASIA-FRANCE VU PAR・・・
亜細亜ところどころ。フランスところどころ。 中華かぶれの日々を送る元フランス好きの日記です。
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トラン・アン・ユン的世界
 北アフリカで、南太平洋の彼方の島で、カナダの端っこ、それからヴェトナムで、フランス語が通じてしまう歴史の事実。
 世界中でフラ語を使用することを推奨することを”フランコフォニー”運動といいます。
 3月20日はそんなフランコフォニーの設立記念日
 各地で行われるフランコフォニー・フェスティバルのお祭りが、ココ関西でも開催されておりました。
 
 いろいろあるイベントの中、小桃のレーダーがビビビビビと反応したのは・・・
 「トラン・アン・ユン監督を囲んで」と銘打たれた講演会
 カンヌでカメラドールに輝いた処女作 『青いパパイヤの香り』から、最新作 『ノルウェイの森』まで、フランス映画の第一線で活躍し続ける監督の映画トーキング 聞いてきました。
 
 におい立つほど、官能的でみずみずしい映像作品の数々は、こんなにも印象的で忘れがたいのに、トラン・アン・ユンって人の顔すら存知上げなかったワタシ。
 
 すごいカッコイイー
 と、俳優さながらに撮りこまれてたチラシを見て、どきどきしたりしましたが、実際会った ユン監督はワタシの目線をスルーするほど(笑)自然体な方で、席につくなり我らに向かってしばしにっこり。 カーキのジャケに仏人らしく巻物まいて、髪をたまになでつけながら、まるで堺雅人さんのようにくしゃっと微笑む監督は、想像以上にナチュラルでやさしい雰囲気の方でした

 開口一番・・・
 「打ち合わせもいたしましたが、今日はみなさんの質問にどんどん答える会にしていこうと思います。」
 後に出る質問でも答えられてましたが、監督にとっては現在より以前のことはすでに古くさいもの。 常に新しいことを考え、行動する。 それが彼のスタイルなんだそうです
 打ち合わせや前準備で万全の態勢を整えていた主催者側は、あんぐり。だったようですが、容赦なくトークは続きます。笑
 以降は監督の要望どおり、活発な質疑応答の講演会となってゆきました―
 
 Q:日本文化と出会い、村上春樹の『ノルウェイの森』に感銘を受け、
   映画化に至るまでの過程について

 はじめて日本を知り、そのイメージが幻想であった。ということに気づいた現在も尚、日本が好きで住みたいくらい。だという監督の日本文化との最初の出会いは、川端康成『雪国』だったそう。
 「フランスで映画の勉強をしている時に出会い、1957年に映画化されたものも見ました。
 文芸作品を映画化することは良いことか否か考えてみましたが、それが可能であると気づき、私も日本に関する作品を撮りたいと思うようになったんです。
 村上春樹さんの作品のすべてを知っているわけではありません。
 彼の作品を読んだのは、『ノルウェイの森』が最初でした。
 その時に作品から強く感じたのは、メランコリー(憂鬱)
 何かにつまづき、まだ時間があると思っていたのに、時はいつしか過ぎ去ってしまっていた―
 若い時、誰もが経験するこんなメランコリーを、村上さんは上手く描き出していると深く感銘しました。
 このはじめて読んだ時に感じた最初の印象を大切にとっておき、そのまま映画化したいと考え、製作にあたりました。」
 
 「シナリオづくりはフランス語~英語~日本語
 村上氏は英語が非常に堪能なので、英語でチェックしてもらい、日本語のセリフ訳のニュアンスに差異がないか等を確認していただきました。
 シナリオ第一稿はただし書きがたくさん書き込まれてありましたが、第二稿以降はチェックがなかったですね。
 小説は小説。映画は映画。 別のもの。として考えてくださったようで、後はまかせていただきました。」
 
 「製作後、彼の他の作品も読んでいます。
 村上さんの作品はとても親密で、知らないうちに読者の中に彼の考えがするりと入っていってしまうような感触を感じます。
 ある意味、有な小説家。ということですが、自分の中に”毒”を持つということはすばらしいこと。
 彼はすばらしい作家だと思いますね。」
 
 トラン・アン・ユンのハルキ評を聞いて、自分がなぜ彼の小説が好きなのか少しわかった気がしました。
 特に『ノルウェイの森』については、非常に感覚的でスキキライの分かれる作家だと言われていますが、恋愛小説のみならず、羊男のくだりのように、非常に毒の強い作品も多く手がけている。
 「そんなん、あるわけないわ。」
 と、たかをくくって読んでいるのだけれど、読んでいるうちどんどんはまりこんで、続きが楽しみでしかたなくなってくる。笑 阿部公房でもそういう目に遭いましたが、現代作家では私が一番好きな毒ある作家だったりします。
 
 Q:現在編集中の新作 『ノルウェイの森』 主演の松山くんについて
 キャスティングを行うのにいつも大切にしているのは、その役者の持つ才能でも役柄に合っているかどうかでもなく、 ”人間性”
 と語るユン監督。
 本人に実際会ってみて受けた印象と、今後自分とうまく映画づくりをしていけるか否かを考えた上で決めるんだそうです。
 『ノルウェイ』は私のだいすきな小説で、主人公のワタナベくんはとりわけだいすきな男の子なのですが、松山くんをキャスティングしたことについて・・・
 「彼の繊細で、リラックスしていて、いつもムリしていない(自然体?)ところが気に入りました。」
 とさらっと答えていたけど、それってホントに実際の松山くんの個性なのであって、ワタナベくん云々でないんぢゃ。 とちょいと驚きました。笑
 
 Q:五感に訴える映像づくりについて
 ハイ。めっちゃいい質問出ました! 訊いてくださった方ありがとー
 トラン・アン・ユン X 『ノルウェイの森』 の化学反応で、一番興味深いのはココ
 たとえば『青いパパイヤの香り』で魅せた木漏れ日の美しさ、植物の生命力の力強さとか、 『シクロ』で魅せたにおい立つような官能。
 セリフがなくて、そこに流れているのが日常の平凡な世界でも、素通りできない監督のいうところの”毒”がピリリと効いている。 そんな作品を撮り上げるユン監督。
 その映像美のナゾを探ると・・・
 「つくりこまない。」
 コレに限るのがポイントだそうです。
 「肌を撮ることにこだわっています。
 人間の肌であれ、壁や物の材質であれ、美しくみせたり、わざと官能的に描き出したりすることはけしてなく、あるがままそのままの性質を映し出すことが大切。
 そのためフィルムは用いず、ビデオ撮影にこだわり、あるがままを撮っています。」
 今後、彼の作品を観る際は”肌”に注目してゆきましょう
 
 Q:これまでにショックを受けた作品はありますか?
 「テレンス・マリック監督の『ニュー・ワールド』
 この作品ははじまって30分で泣き出して、終わるまでずーっと涙が止まらなかった作品です。
 なぜなら自分がやりたかったことをマリック監督がしてのけたから。
 ”コノヤロウ!”とずっと思って見てました。」
 この作品のことを語りだして以降、映画魂に火がついちゃったトラン・アン・ユン。
 笑顔の堺雅人から、しっかりした堺雅人へ変貌を遂げてゆきます。。。笑
 マーティン・スコセッシにはリズムがある。 キューブリックにはメロディ、そしてこのテレンス・マリックにはバイブレーションがある。」
 その振動力のものすごさに、監督はひどく感銘を受けたそう。
 この映画はタイトルのそのまま”新世界”を描き出したもので、過去のものはすべてポイッ。 非常に新しい感覚でつくられた作品で、今回のイベント内容を土壇場でひっくり返し、新たな試みをやっちゃうようなユン監督の感覚に非常にマッチしたのだとか。
 「その瞬間の感覚や、光の加減をつかみとる。」
 ”ニュー・ワールド”とは、そういうこと。
 トラン・アン・ユン作品をすべて振り返ってみても、その映像はどれもこれも”ニュー・ワールド”そのものですね。
 新作 『ノルウェイの森』の仕上がりがより楽しみになってきちゃいました♪
 
 Q:次回作について
 「『ノルウェイの森』をはじめ、3本の日本作品を手がけたいと思っています。」
 日本好きのユン監督は、確かにそうおっしゃってはりました。
 
「次回はサムライものを撮りたいですね。」
 
 やはり”毒”のある仕上がりにこだわりたいそうです。
 
 「ヴィム・ヴェンダースの『東京画』のように、東京で待ち合わせするなら何処にしますか?」etc.etc...
 さまざまな質問が飛び交う、活気ある講演会・・・もとい質問大会となったイベントでしたが、まとめるとトラン・アン・ユン的世界で大切なのは―
 「ニュー・ワールド」 そして「毒」
 さまざまな困難を乗り越えつつも、はじめに受けた感覚や感動は新鮮さを損なわず、そのまま観客に伝える。
 そして生まれたイマジネーションの結晶(映画)に、一滴の毒をポトリとたらす。(笑)
 
 ひとしきり語った監督がもらしたのは・・・
 「映画づくりは本当に難しい。 映画をつくればつくるほど、難しいんです。」という愛情あふれるセリフ。
 その苦笑いのウラにはきっと
 ”だから映画づくりはおもしろい”
 という本音が隠されているのだと、私はひっそり思っていましたよ。フフ
 
 在仏以来の充実したトークショーでしたが、気づけばなんだったっけ・・・
 フランコフォニー!
 フランス語の勉強に行ったのもついぞ忘れる濃ゆいトラン・アン・ユン的世界時間、地元で体験できるなんて、わざわざトンボ帰りで駆けつけてくれたユン監督に超merci-! そして主催してくださったみなさまに感謝です
 フランス映画祭東京がうらめしいこのごろでしたが、こういうステキなイベントが関西でも開催されるようこれからも期待して待ってようと思います。
 
 さてと。
 私は今週、もうひと祭り、がんばらねばー 飛飛飛~
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【2010/03/23 21:22】 | フランスいろいろ | トラックバック(0) | コメント(4) |
<<Wish to see you in 大阪(追記) | ホーム | 韓流「テレーズ・ラカン」>>
コメント
小桃様 晩上好♪
すいません、『ノルウェイの森』・・じゃなく
最後の1行に反応しちゃいました。(^^;)
もしや@大阪記者会見かしらん?
それとも@ソウルイベ?
ともかく昨日記者会見@東京行ってきました♪
久しぶりに生飛4人を見られて
眼福でしたわ~v-344
【2010/03/25 22:29】 URL | ガオダオ #RPl.Eehs[ 編集]
まあ! わたしが金沢で飲んだくれているあいだに、こんな素敵なイベントがあったのですね! 
トラン・アン・ユン、こんなに美しい男性だったとは。小桃さんの臨場感あふれるレポを拝読して、映画がますます楽しみです。
「ノルウェイの森」ではわたしは緑がすきです。あとレイコさんも♪
また読み返したくなったなぁ。
【2010/03/25 23:21】 URL | きの子 #-[ 編集]
☆ガオダオさん
そうそう。
@大阪会見で、ひさびさに4人のお姿おがんできましたv-10
ガオダオさんも東京会見参加されたんですね!
レポレポUPしたので、東京のオモシロ話 よかったらお聞かせくださいv-411
【2010/03/28 18:33】 URL | 小桃 #S7DRU.KM[ 編集]
☆きの子さま
金沢+αで楽しかったみたいですねーv-353
そのメンバー、飲んだくれそう・・・笑
私も日本旅楽しみたい年なので、どこか誘い出してくださいませ。
トラン・アン・ユン、チラシがカッコ良すぎです。笑
キリリv-360というより、くしゃっとした表情みせるやさしい雰囲気のお方でした。
この講演会行く前に、再度『ノルウェイ』をさらっと読んでみましたが、やっぱすきv-238
ワタナベくんが!v-10
歴史モノに埋もれてたけど、久々にハルキが恋しくなり、別作品を仕入れてしまいました。笑
映画を観る前に、もう一度おさらいして出かけたいですねー♪
そうそう。
ユン監督イチ押しの、テレンス・マリック作品『ニュー・ワールド』も観てみなくては!v-220
【2010/03/28 18:40】 URL | 小桃 #S7DRU.KM[ 編集]
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小桃

Author:小桃
あのまぶしい太陽がなつかしい。
暑い風がなつかしい。
この映画を観たせいか、
台湾熱にうかされてます。
ヨーロッパはどこへやら?(笑)
今年は台湾へ行きたいなー♪
 
どっぷりASIAに、ちょっぴりFRANCE。
くるくるキョロキョロ
いろんなことに興味深々。
気ままにいろいろ書いてます。
よろしければおつきあいくださいませ。

基本的にはLinkフリー☆
その際はぜひコメント残してくださいね。

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